ジュラ地方はスイスとの国境に近いフランス東部、ジュラ山脈(Jura)のふもとにあります。産地としては小さいですが、特殊なワイン、ヴァン・ジョーヌとヴァン・ドゥ・パイユ、そして微生物学の祖であるパストゥール(Pasteur)が19世紀にワインの研究をした地として有名です。
ヴァン・ジョーンは、産膜酵母を利用したシェリーのような香気を持つ辛口のワイン。サヴァニャンから造られ、樽熟成させる際に目減りの補充をせずシェリーのように仕上げたもの。ヴァン・ドゥ・パイユ(藁ワイン)Vin de Pailleは、収穫した葡萄を、麦わらの上で乾燥させて糖分を高めた葡萄からつくる甘口ワインで、麦わらワインと呼ばれています。
サヴォワは7割が白。軽くさわやかな白やフルーティーな赤など。赤ワインはタンニンが少なく、薄い色合いの飲みやすいタイプで、白ワインはちょっと酸化したようなニュアンスを持つ個性豊かなワインです。南西地方は主にボルドー(Bordeaux)の後背地とルースィヨン(Roussillon)間の産地群で、それぞれ特徴が異なっているので独自の産地。リーズナブルな価格のワインが多く、愛好家には「発見」の楽しみを与えてくれる地方です。 これらの産地群はガロンヌ河水系(Garonne)カオール(シーザーの時代から有名な産地、重いタイプの赤)Cahorのものと、ピレネー地方(Pyrenees)のものジュランソン(白・甘口)Jurancon、マディラン(タンニンが強く重厚な赤)に大別できます。